もちがたり~書庫からの手紙~

ジャンルを問わず様々な本を紹介しつつ、趣味について溢したり。

最初の1歩-読書を始める本-

どうも皆様、餅田です。

さてさて皆様、いよいよ本の紹介か…と思われていると思いますがその前に1つだけ。

 皆様は読書をこれから始めるにあたり、最初の1冊はどのような本がいいと思われてますか?

 有名な作家の本?ためになりそうな本?最近話題の名作?

それぞれの答えがあり、その答えの分だけ最初に薦められる本もあるでしょう。

 

私の答えはいたって単純

「小話の詰め合わせ」です。

 

もっとわかりやすく言えば短編集でしょうか。

ミステリー、ファンタジー、恋愛、人間ドラマ、感動、ジャンルは問いませんがまず初めの1歩は少しの時間で簡単に読める短編集でで踏み出してはいかがでしょう。

 

読書に抵抗のある人の理由ってなんでしょうか。

  • 忙しい
  • 買う費用がもったいない
  • 頭のいい人が読むイメージ

決して理由は1つではないでしょうし、この中に当てはまらない人もいるでしょう。

ですがこういった苦手意識の中には『時間をかけて読み進めていく拘束感』が関係しているのではと私は思っております。

「本なんてそんなものだろ。」

そうおっしゃる方もいるでしょうが意外とこれ、重要かもしれませんよ?

 

少し、例題を出してみましょうか。

 

本は苦手だけど漫画は大好きなA君。

運動が大好きな彼は、スピード感あふれるアクション漫画なら何冊でも読んでいられます。でもその漫画の原作小説を読んでみようとしても、シリーズの1冊ともたずに飽きてしまいます。

 

バリバリのキャリアウーマンのB子さん。

空いた時間を有効活用しようと考えた彼女は友人達が口を揃えて薦めてきた巷で噂の恋愛小説を購入しました。しかし細々とした空いた時間に少しずつ読んでいたため、途中で内容も忘れ始め、仕舞には読むことを途中で放棄してしまいます。

 

さて、両者に共通することは何でしょう?

それこそが私の考える読書離れの最大の理由『拘束感』なのです。

 

A君はパラパラと流し読みでき、絵による表現で飽きの来にくい漫画なら読めます。

しかし全ての描写を文で表現し、漫画では1、2ページで済む展開が何ページも続く小説だと目で追うのが面倒になり、更にシリーズ物でこれが何冊も続くということに耐えられません。

 

B子さんは空いた時間に3,4ページ読んだり、1章丸ごと読めたりとまちまちです。

たまにはいいシーンの途中で区切りができてしまい、最悪読み返すことも。そんなことが続いては、どんなに人気の名作でも読む気をなくしてしまいますよね。

 

これは極端な例でしたが、一般的な文庫本のページ数は大体300~400ページ。200ページ程の本もありますがそれだけの時間を拘束され、費やして読むというのは…やはり最初の頃は苦痛ですよね。

 

 

そんな皆さんに私がおすすめするのが【短編集】なのです!

短編集の最大の魅力はなんといってもその名の通り1冊で複数個の話が読めるということ。それはつまり、1つの話の長さが短いということでもあります。(超ざっくり)

1つ1つの話がそこで完結しているためサクッと短時間で1つ読み、また別の日に次の話を読んで…ページ数はまだあったとしても、そこでこの話は「完結した」という事実はあなたの中で満足感や達成感を生んでくれるのではないでしょうか?

 

それでは長くなりましたが、そんな人におすすめする短編集…3冊ご紹介しましょう。

 

 

1.ボッコちゃん 

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 作者:星新一

 

おすすめの短編集は?そう聞かれてこの作品を答える本好きは決して少なくありません。

こちらの作品は短編よりも更に短い『ショートショート』と言われるジャンルで、数ページのお話がなんと驚くなかれ、50編もぎっしり詰め込まれてるのです!
ジャンルも多種多様ですが一貫して言えるのは、作者である星新一さんの冴えわたる感性の素晴らしさでしょうか。1篇読み終わった後早く次の話を読みたい!そんな風に思わせてくれる切れのよさと世界観は、読書の面白さを確かに教えてくれますよ。

 個人的に一番のお気に入りは「妖精」です。内容は…是非皆様の目で確かめてください。

 

ボッコちゃん (新潮文庫)

ボッコちゃん (新潮文庫)

 

 

2.ハッピーエンドにさよならを

 

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作家:歌野晶午

 

こちらの作品は11編からなるミステリーとホラーを掛け合わせたような短編集です。

最初に注意しておきますとこの作品…どの話もめっちゃ後味悪いです。バッドエンドが苦手という方にはお薦めいたしません。いや、もう、本当にタイトルが物語っているようにハッピーエンドのハの字もございません。

しかし、そこがいいんです!

なんともリアルさを感じる表現やどこか社会に訴えかけるような皮肉った文面に引き寄せられ、読んだ後感嘆のため息が出てしまう…そんな魅力の詰まった作品です。

これを読めばきっとあなたも歌野さんのほかの作品が読みたくなるかも?

 

ハッピーエンドにさよならを (角川文庫)

ハッピーエンドにさよならを (角川文庫)

 

 

3.まぼろしのパン屋

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作者:松宮宏

 

美味しそうな表紙に釣られておもわず手に取った作品(笑)

食べ物が題材になった3編なのですが、よくあるほんわか系とはひと味違うのがこの作品!どちらかと言えば人情話が好きな方におすすめしたいですね。

まぁ3つの主人公がサラリーマン(おっさん)、医者(…うーん)、ヤンキー(ヤンキー)なので間違ってもほんわかとはなりませんね。しかしながら不思議な世界観やテンポの良さ、最後まで読み進めていくとちょっぴりホッコリしちゃう…満足感を得る作品でした。

男らしさもあり心温まる何かもあり、読んで少し小腹が減ったならちょっとそこまでパンを買いに行きませんか?

 

 

さて、いかがでしたか?

本の読み方は人それぞれですが、もしこの話に少しでも共感したらまずは短編集で本の世界への1歩を踏み出すのもいいかもしれませんよ?

それでは今宵はこの辺で。

 

 

See you in  the next letter.